当サイトLOVEテラスでは今まで沢山の結婚相談所を取材してきましたが、その中で「最近は新規開業をする結婚相談所が多い」というお話をよく伺います。
正確な統計を取っているわけではありませんが、日本の社会情勢の変化を考えれば当然の傾向と言えるかもしれません。
一つ目の変化は「婚約件数の減少」です。
女性の社会進出、そしてそれに伴う晩婚化、さらに終身雇用の崩壊など、「結婚」は適齢期が来れば誰もが当たり前にするものではなく、多くの人にとって手を伸ばさなければ届かないモノとなりました。
そして婚約件数が減ったことで、むしろ結婚へと導いてくれる婚活サービスの需要は高まっています。
二つ目に挙げられる変化が「副業をする人の増加」です。
政府主導で働き方改革を推進したことで副業を推奨する企業なども増え、「個人がビジネスを持つ」ことに対する注目度は未だかつてないほど高まっているように思います。
そんな中で、結婚相談所というのは開業をする際の初期投資がそこまでかからなかったり、特別な資格や許認可が必要なかったりと、参入するハードルが低いために新規開業をする人が多いのかもしれません。
「連盟」とは?
ところで結婚相談所を開業しようと思ったとき、まず真っ先に何をすればいいと思いますか?
WEBサイトの作成?名刺の作成?事務所の契約?
いえいえ、まずは「連盟」が開催する説明会へいき、連盟に加入する必要があります。
例えば結婚相談所を開き、いざ新規会員が入会したとして、じゃあ「お見合いをしましょう」となっても、その新規会員しかいなければお見合いをセッティングすることはできません。
そんなときに連盟に加入していると、連盟には数万人という会員がデータベースに登録されているので、その会員たちの中から紹介することが出来るのです。
日本にはおよそ10社ほどの連盟があり、それぞれ加盟金やサポート内容が変わってくるので、新規で結婚相談所を開業をする人たちはその中から自分たちに合った連盟を選ぶことになります。
もちろん理屈の上では連盟に加入せずに結婚相談所を開業することは出来ますが、そんな連盟が保有しているような膨大な会員ネットワークを個人が持っていることはまずありえないので、基本は連盟に加入するのが大前提となります。
これが結婚相談所という業界における連盟の役割です。
そして今回、結婚相談所の連盟の方に直接「結婚相談所の開業」について詳しいお話を聞くことに成功しました。
それが「日本仲人連盟」の社長である土橋さんです。
日本仲人連盟は45年以上の歴史を持ち、800社の結婚相談所と15,000名の会員が登録をする連盟です。
「結婚相談所の開業」についてお話を伺うならこの上ない存在と言えるでしょう!
というわけで日本仲人連盟の社長、土橋さんのインタビューをご覧ください。
インタビュー


他の連盟との違い
——他の連盟との違いを教えてください
土橋さん:当社がよく言われるのは安心感があるとかアットホームな雰囲気といったような部分です。
正直に申し上げると他の連盟に比べて会員数とか相談室数は多い方ではありません。
むしろ他社に比べてビジネスの匂いがしないのにこれだけの規模の連盟を作れたのは、弊社の創業者である会長が加盟店の方と共に積み上げてきた信頼とか、人とのつながりを大切にしてきた部分が大きいです。
連盟と結婚相談所の関わり
——連盟は結婚相談所とどのように関わるのか教えてください
土橋さん:結婚相談所の人たちが仕事をしやすい環境を提供するというのが連盟の役割です。
お見合いが出来る仕組みを提供することで、会員のデータベースを活用していただき、自社の会員がいない状態でも結婚相談所を運営できるというのが連盟のメリットです。
それから、結婚相談所はメジャーな業種ではないので、結婚相談所を始められる方というのはほとんどの方が業界未経験の方です。
そういう方たちに基礎的な知識をお伝えしたり、研修を提供したり、結婚相談所が横の繋がりを作れるような会合やイベントを提供するのが連盟の役割です。
——どれくらいの方が未経験なんですか?
土橋さん:体感ですけど9割くらいの方は未経験です。
特殊なスキルや資格が必要なわけではありませんし、初期投資も他業種に比べると安い部類なので、参入障壁は低いと思います。
——副業で始められる方もいますか?
土橋さん:いらっしゃいます。
本業を持たれている方は、それを継続したまま結婚相談所を始めることをオススメしています。
結婚相談所は物販などとは異なり、最初からいきなり売上が出るわけではありません。
少し前だとタピオカとかが流行っていて最初から売上が伸びるお店とかもあったかもしれませんが、結婚相談所ではそういうことはありません。
信頼と実績を積み重ねる必要があります。
人生の中でも大切な「結婚」というライフイベントをささえてもらうことになるので、これから婚活をしようと考える消費者(入会希望者)の方はどうしても「開業したばかり」の人よりも、経験とか実績がある人にお願いをしたい、という風に考えます。
すこしずつ会員さんを増やしていって成婚をしてもらって、という積み重ねが必要になる分時間がかかりやすいです。
ですので、今の収入を確保しつつ、地道に実績を積まれるのが望ましいのではないかと考えています。
開業までの流れ
——開業までの流れについて教えてください
土橋さん:人それぞれの手順があるので、必ずコレという流れはありません。
それこそ、こういう加盟団体に入らなくてもお仕事自体はできます。
ただ、いざ自分のところに入会希望者がきたとき、どうやってお見合いを組んだらいいとか、どういう交際のルールを設けようとかが分かりません。
開業したばかりのとき、一番初めに入会される方というのは、知人の知人だったりとか、距離の近い人が多いです。
そうなったとき、どうやって距離の近い人からお金を取ればいいんだろうとか、そういうことを自分で決めるのが難しいんです。
こういう団体に入ることでそういう問題のハードルを下げ、お仕事をスムーズに進めることが出来ます。
事前にやれることとしては、屋号を考えていただいたりとか、ホームページとか名刺の内容どうしようとか、ターゲット層はどうしようとか、そういうことを考えることです。
「どういう人の役に立ちたいか」というコンセプトを決めるのはとても重要で、そこがハッキリしていると新人の方でも集客しやすくなります。
社会の役に立ちたいといったように、漠然としているとなかなか集客に繋がらなかったりします。
自分の想いが大事ですし、それが結果的にウリになるので、それを具現化・明文化していく作業が最初は重要です。
開業にあたっての注意点
——開業にあたっての注意点について教えてください
土橋さん:周りに独身の方が沢山いるから、という理由で始められる方が多いです。
ただ、そういう人達の中で実際に入会する方というのは半分もいらっしゃいません、1~2割くらいじゃないでしょうか。
これ本当によくある話なんです(笑)
なので、自分のネットワーク内だけで「儲かりそう」と考えて安易に始めるのは少し注意した方がいいと思います。
結婚相談所は飲食店とかと異なり初期費用が本当に低いです。
当社の場合ですと加盟金は60万円ですし、一番高いところでも150万円くらいあれば事業をスタートすることは出来るので、事業をはじめるリスクはかなり低いです。
そういう意味で、そこまで注意点というのはないかもしれません。
ただ、人の人生を預かる仕事なので「簡単そう」「儲かりそう」という安易な理由でスタートしない方がいいということは確かです。
開業資金について
——必要な開業資金について教えてください
土橋さん:連盟に加入すると必ず加盟金がイニシャルコストとしてかかります。
弊社の加盟金は税別60万円がかかります。
その中には研修費用とか、契約書の雛形なども含まれています。
60万円で結婚相談所を始める権利を得る、というようなイメージを持っていただくといいと思います。
その他にもホームページや名刺などは個別にかかってきますが、どれくらいのクオリティを求めるかは人によって変わってくるので、費用は一概には言えません。
あと連盟に加入すると必ず月会費がかかり、当社の場合は月5,000円です。
月5,000円を払っていれば、いつ婚活希望者がいらっしゃってもご自身の相談所で受け入れられる体制を維持することが出来ます。
それから会員さんが入会した際にデータベースに登録をしなければなりませんが、その登録料や会員さんが自宅などでスマホを使って検索したりするためのサイトの利用料などがかかります。
詳細をお知りになりたい場合は、渋谷ラウンジで無料の個別説明会も行っておりますので、お気軽にお問合せください。

料金設定について
——どのように料金設定をすればいいか教えてください
土橋さん:一応相場というのはあって、それは研修の際にお伝えしています。
その地域で競合となる結婚相談所というのは必ずあるので、まずはそういう相談所の料金設定をベンチマークします。
あとは、会員様からもらう料金というのは結婚相談所が自由に設定できるので、先ほどお伝えしたようにどういう想いで結婚相談所をやるのかとか、どういうサービスが提供できるのかによっても変わってきます。
2~3年前、深夜に「成婚率100%の結婚相談所」というテーマのドラマがありましたが、入会金は200万円という設定でした。
もちろんそれはドラマですが、その料金に見合うサービスを提供することができ、かつ会員様がその料金に納得をしていれば問題ないわけです。
自分が設定した料金について説明することができ、お客様を納得させることができ、社会通念に照らして妥当性がある料金かどうか、という点が重要です。
今の消費者は無料のサービスに慣れているので、入会金は取らずに月会費を厚めに設定しているんですとか、お見合いを沢山組んで欲しいからお見合い料を取らずに月会費に含まれているんです、といったように自分が設定した料金にどのような想いがあるのか説明できるようにすることをオススメします。
例えば小規模な結婚相談所というのは大手と比較されることが多いんですが、大手の結婚相談所は入会時に多くのお金を取り、入会後はそこまで費用がかからなかったりします。
こういう大手の結婚相談所は「情報料」として入会時に比較的高額な費用を取っています。
これは良い悪いではなくビジネスモデルの違いです。
小規模な結婚相談所は「小回りがきく」というのがメリットなので、一人一人の会員様に寄り添ったサポートをすることになります。
そうすると、料金設定でいうなら「ウチは最初には多くのお金は頂きません」「成婚したときに成功報酬を頂きます」という方が説明が成立しやすいので成婚料をいただく形が理にかなっています。
自分なりの説明が出来るということが重要です。
仲人に向いている人
——どういった人が仲人に向いているか教えてください
土橋さん:人に興味を持てる人です。
本質的にそうなのか、ビジネスで培ってきたのかは別として、「人に興味があってしっかりお世話できます」という人が仲人には向いています。
なによりも自分が幸せで生き生きしていてキラキラしている人が成功している気がします。
失敗事例
——過去の失敗事例について教えてください
土橋さん:基本的にすべての人が成功するわけではありません。
当社の場合、再開したくなったときにいつでも再開できるように「休業」というシステムがあります。
本業が忙しくなったとか、別の事業をやるとか、自分には合っていなかったとか、色々な理由があります。
ですが、弊社は一度お仕事をお休みしても、再開できる仕組みもあります。
ですので、それでも「失敗」というほどの大きな失敗はないかもしれません。
飲食店を開くために数千万円お金借りるとか、そういうわけでもないので、それに比べると多額の金銭的な失敗はないです。
とはいえ、加盟金を出していただいた方がお休みされるのは弊社としてのサポート不足な部分もあると思いますので、ご加盟いただいた皆さんが失敗しないように取り組むのが我々の仕事だと思っております。
集客方法
——結婚相談所の集客方法について教えてください
土橋さん:先ほどもお話しましたが、いくら情報発信をしたとしても、開業したばかりの結婚相談所というのは選ばれにくいです。
小規模の結婚相談所は大手とは異なり「1人入るかどうか」というのが非常に大きいです。
なので、最初のうちは近しい人のお世話をして、その人が成婚したらその人の紹介だったり口コミで広げてもらっていって・・・というのが集客の流れになります。
そういうところで経験を積んだら、紹介・口コミのほかにも、WEBサイト、ブログ・SNSなどを駆使して集客をする。
これらの柱が機能するようになれば、広告費をかけずに集客できるようになります。
サービス提供の上で大切なこと
——サービスを提供するうえで大切だと思うことを教えてください
土橋さん:結婚相談所は、会員様の立場にたつことはもちろん大切です。
ただ、会員様のペースになり過ぎず、結婚してもらうためにはどうすればいいかを最優先で考えることは今の結婚相談所にとって重要なのかなと思います。
会員様目線でも結婚相談所の使い方は10年前とは大きく変わっていて、昔であれば情報量が少なかったので仲人さんが言うことが全てだったんです。
日本人は自己責任が苦手なので何かきっかけがないと動けませんから、「仲人さんの話」のように何かすがるものが必要だったんですが、今は調べれば自分でも解決策が見つかりますから、自分の意見に近しい人を見つけたらアドバイスも聞き入れなくなってしまうこともあります。
なので今の時代においては「会員様の意思で決める」ような方向に持っていくようサポートすることが重要なのかなと思います。
最後に一言
——開業を考えている人に一言お願いします
土橋さん:結婚相談所はとても大変ですが、とても面白いです。
結婚相談所は見えるデータも使える仕組みも同じなので、逆に言うと「誰にお世話になるか」が重要になってきます。
そのときにキャラが立っていなかったり、当たり障りがない感じだと残っていくのは難しいのかなと思います。
会員さんの「結婚」や「人生」を預かる責任が重い仕事ですので、「人の役に立ちたい」「社会の役に立ちたい」という強い思いを持った方は是非、開業をご検討ください。
そして、その状況を「心から楽しめる」方はかなり凄腕の仲人(結婚相談所)になれると思いますので、自信がある方は是非一度、説明会に足をお運びいただければ幸いです。
まとめ
以上が日本仲人連盟の社長、土橋さんのインタビューです。
筆者は以前結婚相談所の仲人様とプライベートでお会いした際に、偶然にもその場に土橋さんもいらっしゃいました。
裏を返せば、そういうプライベートな場に呼ばれるくらい、日本仲人連盟は結婚相談所にとってアットホームで身近な存在なんです。
もし結婚相談所の開業を検討されている方は、日本仲人連盟に相談してみましょう。
きっと親身になって相談に乗ってくれるはずです!